出演:ビートたけし 浅野忠信 夏川結衣 大楠道代 ガダルカナル・タカ 石倉三郎 柄本明 岸部一徳
感想
この映画の監督は北野武だが、台詞が多い。従来の彼の映画は台詞が少ないので、退屈してしまうことがあるが、その点でこの映画は一線を画していると言えよう。しかし、この映画には笑えるところもあるので、その点は彼の映画らしい。
ビートたけしはもちろん、大楠道代や岸部一徳が良い味を出していた。ガタルカナル・タカも意外に良かった。特に岸部一徳は悪役を演じているのだが、子供を笑わせようとする一面がある。これには思わず笑ってしまい、その悪役がありふれたものではなく、人間味のあるところが非常に斬新的だ。
ガダルカナル・タカが登場した瞬間は不安を覚えたのだが、彼が雰囲気を壊さない程度に笑いを取っていたので良かった。彼が男三人組から叩かれるところはツボにはまる。
映画のあらすじは分かりやすいので、退屈しなかった。全体的に殺陣のシーンが多いのだが、それほど残虐ではないし、雰囲気が暗いわけでもない。笑えるところもあるのだが、メリハリがついているので、白けることなく最初から最後まで見ることができた。
この映画が良かった思う理由は、思ったほど浅野忠信演じる用心棒が市にとって大きな存在ではなかったところだ。彼は妻が病に冒されており、ただの雇われの身であって、根っからの悪人ではない。もしも彼が市にとっての最大の敵であったなら、この映画は大したものではなかっただろう。
ちなみに近年の日本映画は役者だけが豪華なのに、中身のないものが多い。しかし、この映画は違う。一見、柄本明の役柄は大したものではなさそうだが、最後の最後で見事に騙されてしまった。この映画は役者だけが豪華ではない。中身もちゃんとあって、登場人物一人一人が入念に描かれている。この映画が海外でも評価されているのは分かる気がする。
最後のタップダンスが印象に残る。個人的にミュージカルは好きじゃないのだが、あのタップダンスは素晴らしいと思う。ただ1つ引っ掛かるのは、市が金髪である点だ。まあでも気にしないことにしよう・・・
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