感想
この話もなかなか良かった。右京と尊はたまきのお見舞いに行ったときに、少女と出会ったことである事件を知ることになる。いかにも相棒らしい話である。
少女が国会議員の男を見たと言うが、少女の母親は信用しない。確かに根拠がないから信用できなくてもおかしくないのだが、固定観念にとらわれない右京にはそうはいかない。母親は人間らしい一方で、固定観念にとらわれてしまう人間としての弱さもある。
ちなみにこの話は4-17「告発の行方」に似たところがある。あの話にも、自分の信念を貫き通そうとするあまりに命を落としてしまった新聞記者がいた。右京は、真実を追い求めることで、死者の無念を晴らそうとする。たとえ何か善意の目的を果たすためであれ、誰かが犠牲になることを彼は許さない。この話で正義感が強く、信念を貫く人間が馬鹿を見ることはないと思えるところに救われた。
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